大変珍しいウィルソン製のピストン式テノールホルン（バリトン）です。ブランド名は Rosehill Instruments というイギリスの楽器店のようですが、製造元はスイスのウィルソンです。同様の楽器がアメリカのゲッツェンでも販売されていました。フランスやアメリカの吹奏楽におけるバリトン、ドイツ語圏のテノールホルンの役割に適した、メロディーやソロなど、中低音金管をリードする楽器として活用できます。
 
英語のカタログには Baritone と表記されていましたが、スイスのドイツ語のカタログには Tenorhorn と表記されていまして、ブリティッシュのバリトンよりもずっと太く、ユーフォニアムよりも少しだけ細いことからして、ドイツ語圏のテノールホルンに相当すると考えてよいかと思います。ドイツ、オーストリア、イタリア、フランス、イギリスなど、各国を折衷したような吹奏楽団やブラスバンドがあったスイスならではの楽器です。